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ソリューション

冷却液性能の引き上げ

冷却液中にナノ粒子を分散させることで、粘度を維持したまま熱伝導率・熱伝達を向上。データセンターの液浸冷却をはじめ、EV・パワーエレクトロニクスなどの排熱・冷却効率の引き上げに貢献します。

データセンターの電力消費と冷却の課題

生成AIの普及などを背景に、世界のデータセンターの消費電力は急増しています。JSTの試算では、データセンターの消費電力量は2018年の約183TWhから2030年には約3,020TWhへと拡大し、世界の発電量の約10分の1に達すると見込まれています。

データセンターの消費電力のうち、冷却用設備が約45% を占めるとされ、サーバーの冷却効率の改善は省エネルギーの最重要テーマとなっています。こうした中、サーバーを冷却液に直接浸す「液浸冷却」は、従来の空冷と比較して冷却用消費電力を大幅に削減できる方式として普及が始まっており、冷却装置に占める液冷方式の割合は今後数年で大きく伸びると予測されています。


冷却の主役が「空気」から「液体」へ移る中で、次のボトルネックとなるのが冷却液そのものの熱輸送性能です。

  • 水や油などの冷却液の熱伝導率には限界があり、発熱密度の上昇に追いつかない
  • 熱を帯びた固体と冷却液の界面には「熱境界層」が形成され、大きな熱抵抗となって熱伝達率が低下する
  • 熱伝導率を高めるために粒子を添加する手法は古くから研究されてきたが、従来技術では粒子の凝集や粘度の上昇を招き、ポンプ動力の増加や配管の閉塞が実用化の壁となってきた

こうした冷却液の性能限界は、データセンターに限った課題ではありません。EVのバッテリー・モーター・インバーター、パワー半導体、変圧器、工作機械や産業プラントの熱交換など、液体で熱を運ぶあらゆる用途に共通する課題です。NanoFrontierは、データセンター用の液浸冷却液にとどまらず、水系・油系を問わず幅広い冷却液・熱媒体を対象に、性能向上に取り組んでいます。

NanoFrontierのアプローチ

NanoFrontierは、独自のナノ粒子化技術により、凝集を抑えた高い分散安定性を持つナノ粒子分散冷却液を開発しています。

  • 置き換えるだけ: 既存の冷却装置はそのままに、冷却液をナノ粒子分散液に置き換えるだけで冷却性能の向上を狙えます
  • 粘度を維持したまま熱伝達を向上: 数十nmの微細な粒子が界面近傍の熱輸送特性を変化させ(境膜破壊)、流動性を損なわずに固体から冷却液への熱伝達率向上に寄与します
  • 幅広い液種に対応: 水系から油系(熱媒体油・冷却油)まで、お客様が使用する冷却液に合わせた分散設計が可能です

ナノ粒子分散による冷却性能向上のメカニズム: 通常の冷却液では熱境界層が熱抵抗となるが、分散したナノ粒子が界面近傍の熱輸送特性を変化させ熱伝達率が向上する

ナノ粒子分散による冷却性能の向上は国内外の研究文献でも多数報告されており、熱伝導率・熱伝達係数が数%から数十%規模で向上した例が示されています。当社はこの「設計余地」を、独自の分散技術で実用レベルに引き上げることを目指しています。

市場の広がり

液浸冷却液の世界市場は、2024年の約23億ドルから2030年には約42億ドルへ、年平均成長率10.8%で成長すると予測されています(Research and Markets調べ)。熱媒体・自動車用冷却液まで含めた関連市場は2030年に150億ドルを超える規模となる見込みで、データセンターにとどまらない幅広い応用が期待できます。

想定されるユースケース

想定される企業・組織 活用ニーズ
データセンター事業者・液浸冷却システムインテグレーター 液浸冷却液の熱輸送性能向上による冷却効率・省エネ性能の引き上げ
冷却液・熱媒体・潤滑油メーカー 既存製品へのナノ粒子分散による高機能化・差別化の共同開発
自動車・EV関連メーカー バッテリー・モーター・インバーターの熱マネジメント用冷却液の性能向上
パワーエレクトロニクス・半導体メーカー 高発熱密度化が進む機器の冷却限界の引き上げ
工場・プラントエンジニアリング 排熱回収・熱交換プロセスの効率化による省エネルギー

協業の進め方

お客様が現在使用されている冷却液・冷却油をベースに、ナノ粒子の分散と冷却性能の変化を確認する小規模な技術検証からスタートし、段階的に実用化検証を進める形での協業が可能です。「この冷却液の性能を上げたい」というご相談からお気軽にお寄せください。

お問い合わせ

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